職人のこだわり

ウッドメイクキタムラ 北村英孝

ひのきは主に柱などの建築材として使われることが多く、建築材以外の材料としての利用はあまり見られません。しかし、あえてひのきにこだわるのには理由があります。

国産の木材による建築が少なくなった現代では、木材の価値がどんどん下がってしまっています。そのため、木材を扱う業者は少しでも状態のいい木が育つよう間伐を行うのですが、間伐により切り倒された木材は特に利用されることもなく山に打ち捨てられています。

私は16歳の時に大工になり、以来29年間大工仕事を続けてきましたが、安く工期の早いパネル式の建築方法の普及や、荒れていく山の現状を変えたいという思いから、「本当の『木』を扱う仕事」をするために家具職人となることを決意しました。

キタムラのひのきは建築材としては利用しない木材を使用しています。

といっても質が悪いということではなく、成長途中で伐採するために、十分な太さのないものを使うのです。しかし、細いとはいえひのきはひのき、美しい木目や独特の香りは人を惹きつけます。

本来は使われない木材を使用することは、森を守ることにもつながり、森の限りある資源を無駄なく大事に使っていくことは、森を生業とする者にとって一番重要なことと捉えています。

「創る」このへのこだわり

木を使って物を作る時に気をつけなければならないのは、木は生き物であるということ。怒りや笑顔といった表情があり、呼吸をし、絶えず変化します。家具を作る時には、それらを考慮しながら、見栄えよく、長く使っていただけるように工夫を凝らします。たとえば、木目の模様ひとつとっても、節などをうまく合わせて違和感がないように組み上げていきます。

細い板を何枚もつなぎ合わせて、一枚の大きな板に仕上げます。しかし、一見して継ぎ目が分からないくらい丁寧に仕上げをすることで、一枚板と見まごうほどの、大きな天板を作ることができます。

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